コラージュアーティスト長谷川さんの絵をじっと見ていると、どんどん惹きこまれ知らぬうちに空想の世界を頭の中で作り出してしまう。一枚の絵といっても彼女が描くために使う道具は、鉛筆や絵の具ではなく、古いビーズや着物の生地、アンティークレース、メトロの切符、古い切手、お菓子の包み紙など……。彼女の目に魅力的に映るものはなんでも素材として新たな魅力を発揮するのです。たとえば、右の絵の「浮遊」という絵は青の古い着物生地の上に、レースで髪の毛や枠を作り、アンティークビーズで水面のような雰囲気を表現しています。とても繊細で細かな作業、この方法を思いついたのはいつなんでしょう。
「もともと絵を描くのが好きで独学でイラストを描いていたのですが、もっと自分だけにしかできない表現方法はないかといつも思っていました。ある日、好きなアンティークのレースなど、全く違った素材を使って絵を描くことを思いつき、描いてみたところ、ずっと表現しきれなかった隙間が埋められたような感覚になりました。以来、この方法を突き詰めようと描き続け、現在のようなスタイルになりました」。
このスタイルで始めてからまだ一年ほど。だけど彼女の描く素敵な世界は大きな反響を得て、数々の賞を取り、今ではたくさんの書籍や雑誌の表紙を飾っています。最近の作品では、中島京子著の「桐畑家の縁談」(マガジンハウス)や、西田俊也著「世界でいちばん淋しい遊園地」(角川書店)、酒井景都著の「europikha millie moi」(中央公論新社)など、書籍の表紙や挿絵も手がけています。
作品作りは自宅兼アトリエで。食べる、寝るとき以外は、集中して作品を作り、一日で作り上げてしまうこともあるのだとか。休みと決めた日には美術館や、インテリアショップを回ったり、アンティークのレースやビーズ、リボンを収集したり、作品のヒントはあらゆるところにあるといいます。
作品にはシューズやバッグコレクションなどのとびきりかわいいものもあれば、図鑑のように昆虫や動物などをリアルに描いたものなど、様々な作品が並びます。
「同年代から大人の男女まで様々な人に楽しんでもらえるような作品を作っていきたいんです。いろんなものをレースというフィルターを通して1度見てみて、ピンときたものが作品につながる感じ」。
今年の秋には描き下ろしの動物やインテリアなどの作品が30点ほど載った、鏡りゅうじさんの著書「幸福の鍵手帳」も発売予定。さらに来年には東京で開く個展も決定しています。
「作品はなるべく実物を見て気に入ったら購入してもらいたいという想いがあるので、ぜひ足を運んでくださるとうれしいです」。
彼女のホームページには近況や、他にもたくさんの作品が掲載されているので、ぜひ見てみて。きっと彼女の描き出す世界に陶酔できるはず。
長作品価格はだいたいB4〜A3サイズで¥50,000〜。
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