雑誌『an an』などでおなじみのイラストレーター田中麻里子さん。いま下北沢の『mona records』で、個展が開催されています。この場所は、ゆるめの音楽をたくさん扱うレーベルmona recordsショップ&カフェで、毎晩ライブが行われていることでも知られています。
インタビューの日、そこに現れた田中麻里子さんは、絵の中から登場したかのようなキュートな女の子。いったい何がきっかけでイラストを描き始めたのでしょう。
「私は芸術系の学校を出たわけではないので、デザインに携わったことはないんです。ただ、学生のころからマンガを書くのは好きで、実はマンガの投稿などもしていました」と、ちょっと恥ずかしそうに語る麻里子さん、「そのころのマンガを見ると下手すぎて、デッサンもできてなくてびっくりしますけど」。
そんな彼女がたまたま入った会社が、ブルーマーク。ミナ・ペルホネンのPRデザインや本の装丁、そしてマガジンハウスのホームページ・デザインなどを手がける有名なデザイン事務所です。マガジンハウスの雑誌と連動しているサイトの制作・進行などを担当しながら趣味のイラストを、趣味ながら本格的に描き始めるうちに、自然に雑誌のカットイラストなどを頼まれるようになり、今の田中麻里子さんのスタイルが完成してゆきました。2003年、独立してからは、活躍の場をますます広げ、さまざまな雑誌や広告で活躍することになったのです。
田中麻里子さんの絵の特徴は、一筆で思い切りよく描かれた鉛筆のラインと、その上にまるでカッティングシートを貼り付けたようなむらのない色遣い。ピンクともベージュともオレンジともつかないようなピンク、緑とブルーとペパーミントグリーに白を足したような淡いグリーン色と同様のあいまいな風合いを持った反対色とのコンビネーション。ひとつの画面の中に20色、30色が入っていながらバランスが取れている色構成は、見ているだけでわくわくします。そして主人公はほとんどがおしゃれな女の子。そして時には、「先生、どうして私はまだ学生なの? もう少し早く生まれてきたかったのに・・・・・・」というようなプチ・メッセージが英語でさりげなく入っている。
「アメリカの学生のファッションと繊細な心の動きの両方に興味があります。プロムを扱った映画が大好きで、『キャリー』や『ヴァージン・スーサイズ』などからは、すごくたくさんアイデアをもらいました。もともと少女マンガも大好きだったんです。特に『チッチとサリー』はすごいお気に入りです」という麻里子さん。 全体のトーンや描かれるファッションは60年代風、なのにi-Podを持っていたり、乙女系小道具を持っていたり・・・・・・。そして、そのほんわかとした雰囲気とは別に、ティーンの心のわがままさや残酷さもしっかりと感じさせ、今の女の子のリアリティをキュートに描き出しています。
「絵のラインは鉛筆で。色はパントーンのトリアマーカーで塗ります。紙は無印良品のノート。これが私のとって一番イメージ通りに色が出せるセットなんです。数年前、無印良品のノートが廃盤になったみたいでどうしようかと思ったら、今年になってまた売っていたので、思わず大人買いしちゃいました」。
もともとマンガが大好きだったという麻里子さんは、先日青林工藝舎から発売された『アックス』に、マンガ「悪事を働きたい」を掲載。「チッチとサリーが大好きだったから、あんなすてきなカップルの現代版みたいなマンガが書けたらいいなあとか、頭の中ではいろいろと考えたりしているんです」、これからもっともっとマンガもイラストもたくさん描いていきたい!と言う。書きたいことがぎゅぎゅぎゅっと詰まっている田中麻里子さんのこれからに注目です。
ホームページ
http://www.tanamari.com/
A GIRL 展
2007年3月1日(木)〜3月15日(木)/mona records
http://www.mona-records.com/
「イラストレーション ブックプロ 01 edited by PICT 原画展」に参加
2007年3月21日(水)〜4月4日(水)/青山ブックセンター
http://www.aoyamabc.co.jp/15/15210/#000300
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